多重債務者の負担が増える恐れも
グレーゾーンの撤廃が決まったときに、多くの人が懸念したのが、審査が厳しくなることに伴う弊害です。たとえば、すでに消費者金融から相当の借り入れがある場合、新たな借り入れをおこなうことが難しくなることが予想されます。そのような人のなかには、日々の営みに消費者金融からの融資が必要不可欠という状態の人もいるでしょう。そのダメージは軽視できません。
金利引き下げなどを含む新しい貸金業法は、基本的には歓迎すべきものといえると思いますが、まったく問題がないわけではないということも、頭に入れておく必要があるでしょう。
業者へのダメージが大きい
上限金利の引き下げや一人あたりの貸し出し総額の規制によって、最も大きな転換を迫られるのは業者です。業者にとって、金利の引き下げは利益の損失に直結しますから、死活問題です。利息による収入が減っても、融資額を増やせばカバーできますが、貸し出し総額も規制されますし、なかなか難しいでしょう。
今回の法改正は、業者にとってはこれまでの業務体制を根本から変えなくてはならないほどの影響があるものです。2007年2月現在、すでにいくつもの業者が人員削減をはじめとするコスト削減策を実行していますし、消費者金融業界から撤退する業者も出はじめています。改正法の施行まで、このような動きは続くと思われます。
見直し規定
改正法の施行にあたって、金融庁は見直し規定を設けています。見直し規定とは、要するに施行後に微調整をおこなうということです。新しい貸金業法はグレーゾーンの撤廃をはじめ、いくつも重要な改正を含んでいます。施行後の影響については現在もいろいろな意見が述べられていますが、それはあくまでも推測です。実際にどのような影響が出るか、施行してみなければ分からない、というのが正直なところでしょう。もちろん施行までにはまだまだ時間がありますので、随時微調整はおこなわれるでしょうが、本格的な対応は施行直後におこなわれると思われます。なお、見直し規定の期間は施行から2年半と定められています。2011年中には、新しい貸金業法が業界に定着しているでしょう。





